転職・副業

「逆自然淘汰の現実:国家公務員の若手が直面する昇進とスキル不足」

tannkasan777

国家公務員として働くことには、多くのメリットがある一方で、特に20代新卒で一般職に就いた場合には、民間企業と比較して感じるデメリットも少なくありません。特に、福利厚生の恩恵を受けるのが限られた状況であること、スキルが身につかず転職に不利であること、年功序列により無能な上司が誕生すること、さらには優秀な人が転職し無能な人が残る「逆自然淘汰」が進んでいる現実など、国家公務員としてのキャリアには複数の課題があります。これらのデメリットを知ることは、国家公務員を目指す上で非常に重要です。

今回は、国家公務員として働くデメリットについて、特に福利厚生やキャリア形成に焦点を当て、詳細に分析していきます。民間企業と比較しながら、国家公務員におけるキャリアの実態を掘り下げ、そのデメリットを理解することで、今後の選択に役立ててもらえるように解説していきます。


1. 国家公務員の福利厚生:病気・育休中の女性にしか有利でない現実

1-1. 福利厚生の充実度

国家公務員の最大のメリットの一つとして挙げられるのが、福利厚生の充実度です。給与体系や退職金、年金、健康保険など、基本的な制度が非常に安定しています。特に、国家公務員は政府の一部であるため、民間企業に比べても待遇面では安定性が高いという特徴があります。これにより、特に病気や育児中の女性にとっては非常に大きなメリットを提供していることは間違いありません。

国家公務員の福利厚生には、育児休業制度や介護休業制度、さらに育児手当や職場復帰支援プログラムなど、社会的な支援が豊富に存在します。特に女性に対しては、育児休業の取得が比較的スムーズに行え、復職後もサポートが手厚いという特徴があります。また、病気やケガによる休職に際しても、給与が保証されることがあり、長期間の休職でも経済的な不安を抱えることなく、再出発できる体制が整っています。

1-2. 病気や育休中の女性に特化した制度

育児休業や介護休業は、民間企業でも充実しているところはありますが、国家公務員の制度は非常に手厚いと言われています。育児休業中に支給される手当も高く、育児と仕事を両立しやすい環境が整っています。特に、男性の育児休業取得を奨励しているケースも増えており、家族を支える役割を担っている従業員に対する配慮がなされているのです。さらに、職場復帰後の勤務時間の調整や、在宅勤務の選択肢も導入されることがあり、フレキシブルな働き方が可能となっています。

また、病気やけがで長期間休む場合も、民間企業では失業手当や傷病手当が支給される場合もありますが、国家公務員の場合はこれらの支援が非常に手厚く、社会的保障が充実しているため、長期間の療養でも安心して休業することができます。これらの点は、特に育児や介護のサポートを受ける必要がある社員にとっては大きなメリットとなるでしょう。

1-3. 福利厚生の恩恵を十分に受けられない若者・独身層

しかし、このような福利厚生が有利なのは、特に病気や育児、介護が必要な人々に限られ、若年層や健康で独身の社員にはあまり恩恵を感じることができません。年金や退職金などの制度は長期的に見ると非常に有利ではありますが、大手民間企業や子会社ならば国家公務員よりも待遇が多い企業がたくさんあるため、高学歴な20代の若者は、そのような企業に入社するのが最適解といえるでしょう。また、年齢が若いうちは、育休や介護休業の制度を活用する機会がないことも理由の一つにあると思います。

そのため、福利厚生の充実度を強調されると、若年層にとっては、「それなら民間企業で成長機会を得たほうがいい」と考えることもあります。民間企業のほうが、成長スピードが早く、仕事を通じてスキルアップできる機会が豊富だからです。


2. スキルが身につかない:転職市場での競争力の低下

2-1. 業務の単調さ

国家公務員としての業務は、しばしば単調でルーチンワークが多いという点で、特に若年層にとっては大きなデメリットとなります。特に、一般職として採用された場合、最初の1〜2年は主に事務作業に従事することが多く、これらの業務は基本的にマニュアルに従った手続きの繰り返しです。データ入力や書類整理、会議の準備など、クリエイティブな仕事や難易度の高い業務は少なく、スキルアップの機会が限られています。

民間企業では、若手社員が早期に実務に携わり、自己成長を実感できる場面が多いため、スキルの習得が進みやすい傾向があります。マーケティングや営業職であれば、業界の動向を学びながら実践的な経験を積むことができ、若い段階から専門的なスキルを得ることが可能です。しかし、国家公務員の一般職では、そのような経験はなかなか積むことができません。特に事務職では、定型的な業務が多いため、自己成長を感じにくく、仕事に対するモチベーションが低下することがあります。

2-2. 転職市場での不利

スキルが身につかないことは、転職市場において非常に不利になります。民間企業では若いうちから専門的なスキルを積み重ねていきますが、国家公務員の一般職では業務が単調であるため、転職時に求められる専門的なスキルを持っていないことが多いです。その結果、他業界に転職しようとしても、業務経験が活かせず、転職市場での競争力が低くなる恐れがあります。

また、民間企業の中には「公務員経験者」を好ましく思わない企業も多く、その理由として「公務員は決まった手順に従って行動するため、柔軟な対応力に欠ける」という偏見があることもあります。そのため、転職活動が長期化したり、希望する職種に就けなかったりすることがあるため、国家公務員としてのキャリアが転職において不利に働く場合もあるのです。


3. 年功序列:無能な人が上司になる現実

3-1. 年功序列による昇進システム

国家公務員の昇進システムは、年功序列に基づいています。基本的に、一定年数の勤務を経て昇進していくため、優秀な人材が若い段階で昇進するということは少なく、どちらかというと年齢と勤続年数が昇進の決定要因となります。このシステムでは、若手社員がどれだけ努力しても、昇進するためには時間がかかります。そのため、業務で優秀な成績を上げたとしても、昇進には年数が必要という厳しい現実があります。

3-2. 無能な上司が誕生する原因

年功序列が原因で、無能な人が上司に昇進することがあります。特に、優秀な社員が早期に転職する傾向があるため、残るのは「無能な人」や「努力を怠った人」となり、結果として無能な上司が多くなることがしばしばあります。年齢や勤続年数で上司になった人物が、業務能力に欠けていた場合、部下は不満を抱えることになります。これが職場の雰囲気を悪化させ、組織全体の活力を失わせる原因となることが多いです。


4. 逆自然淘汰:優秀な人は転職し、無能な人は残る

4-1. 優秀な人の転職傾向

国家公務員の一般職において、キャリアアップの機会が限られているため、優秀な人は早期に転職する傾向が強いです。特に、年功序列によって無能な人が昇進するため、優秀な人が組織に留まる意味を感じなくなります。これにより、無能な人が組織に残り、優秀な人は他のキャリアパスを選ぶことが多く、結果として組織の競争力が低下します。

4-2. 無能な人が残ることの影響

無能な人が上司になった場合、部下はやりがいを感じなくなり、仕事の効率も低下します。また、無能な上司に対する不満が積み重なることで、職場の雰囲気が悪化し、従業員のモチベーションも下がります。これが組織全体の生産性に大きな影響を及ぼし、業務が停滞する原因となるのです。


5. 結論

国家公務員として働くことには、多くの安定性やメリットがある一方で、若年層にはデメリットも多く存在します。福利厚生が病気や育休中の女性に特化していること、スキルが身につかず転職時に不利なこと、年功序列によって無能な上司が誕生すること、そして優秀な人が転職し無能な人が残る逆自然淘汰が起こる現実など、国家公務員として働く際にはこうした課題に直面する可能性があります

ABOUT ME
たなか
たなか
20代後半 | 元国家公務員 → コンサル
元国家公務員の「たなか」です。
思い切って転職を決意し、その結果、年収やスキルもアップ。今では、無理なく節約しながら、旅行、読書、トレーニングなどをしながら過ごしています。
このブログでは、私が実践してきた転職や節約のノウハウ、そして旅行の楽しい経験をシェアし、以前の私と同じようにどこか満たされないあなたを応援したいと思っています。
記事URLをコピーしました